世界一周二日目 台湾に来る理由は食べ台湾。
目覚まし時計をセットした時間に起きることはできなかったが、二段構えで設定をした起きたい時間には起床することができた。予定通りと言っていい。外国で迎える最初の朝だ。
旅行中はなるべく早起きをするように心掛けたい。早起きは三文の徳などと言うが、それは本当に文字通りか、それ以上のメリットがあるように思う。更に言えば、今回の旅で中盤頃に滞在するヨーロッパ諸国の日照時間は、それなりに短い。日の出と共に、といえば言い過ぎだが、充実した時間を過ごすためには早起きが不可欠だ。
朝の準備を済ませ、7時半頃にホテルを出た。今日は行きたい場所がある。
ホテルを出てすぐ、わざわざ周り道をしながら、目的地へと向かう。自分で言うのもなんだが、私は記憶力と方向感覚にはそれなりに自信がある。一度目的地までの道のりを地図で確認できれば、ほぼ迷うことがないし、わざと迷いながら目的地に着くことが出来る。
壁の裏側を見るために、わざと迷ってみることは旅行の醍醐味だ。大通りだけを、最短ルートだけを歩いたって、趣がないように思う。一本隣の通りには別の世界が広がっているかもしれないのだから。
さて、今日の目的地は台北の由緒ある寺の一つ、「龍山寺」だ。言うまでもないが、旅、もとい長期旅行の安全祈願に来たのだ。台北に来る度に来ているので、三度目の訪問である。
この龍山寺は観光客も勿論多く来ているのだが、それ以上に地元の方々が多く来ており、お経を唱えている。信心深い人が多いのであろう。
私が願うのは、「よい人やよい景色と出会い、よい経験をし、無事に日本に帰りますように。そして、日本で私の帰りを待つ家族が健康でありますように。」ということ。
私自身の健康や安全は、祈らない。長い間旅行をしていれば、体調を崩すことも、危険な目に会うこともあるだろう。だが、それもまた出会いであり経験だ。最後、無事に日本に帰り、美味い寿司でも食べることができれば百点満点といって良いはずだ。
一通り祈り終えた私は、朝ごはんを食べに歩く。たどり着いた商店街は、シャッター通りだが、夜は異なる顔を見せてくれるのだろうか。 そして、見つけたルーローファンを出すお店でご飯を食べることにした。
私は外食の際に、外に面したお店が空いていれば、ほぼ確実にそこに座る。周囲の人に見てほしいわけではなく、ただ単純に、眼前の空間が開けているという気持ちよさが好きなだけだ。
黒光りする卵もお肉もうまい。ご飯によく合う。ただ、別の場所で食べたルーローファンの方が格上であるように思ってしまった。旅行中の一食はギャンブル。ネットで調べる・地元民を信じる・勘を信じる、色んな方法があるが、なんにせよ最後の選択次第で、旅行の満足度は大きく変わる。食いしん坊の私の場合、尚更。
腹も満ちたので、台北駅まで歩く。歩くのは好きだ。その街の色んな景色が見えてくる。特に台北の朝は魅力的なので、ぜひ早起きをしてみて欲しい。とはいえ、台北駅まではそう遠くはない、気が付けば台北駅に到着。
さて、私が台北駅まで歩いてきた理由は一つ。臭豆腐だ。「食べ台湾!」という台湾グルメを調べるには最高なブログでお店は調べていた。よく日本のバラエティ番組などで、台湾を訪れると罰ゲーム扱いの臭豆腐だが、初めて訪れた際から、私は割と好きだった。臭いが好きというよりは、単純にその味付けが好きだというだけではあるが。
さて、臭豆腐を注文し席につく。正直、注文システムなんかわからないが、店頭で、指差しで「臭豆腐!ワン!」といえば、きっと何とかなる。
そして運ばれてきた臭豆腐。ブログを書きながらああもう涎がでてきた。
右側に見えるの白いのは、見た目じゃわからないが、キムチのようなもの。豆腐と一緒に食べると最高だ。
そして、この卓上調味料をつけていただく。実はかなり辛く、正直臭みはどうでもよくなる。カリっとした豆腐とシャキっとしたキムチに、ピリッとしたソース。ビールが最高に進む味。
朝としては、十分すぎるほどに食べた気がする。だが、台北には飯を食らいにきたのだ。まだまだ食べるために遠く離れた駅まで、歩いて向かう。昔、何かの番組で国分太一が絶賛していたチーローファンのお店だ。
しばらく歩き、お腹が空いてきた頃に、目的のお店が見えてきた。店の前に着いた時点でわかる。ここは、“あたり”だ。
もう、文字に起こすまでもないだろう。うまい。台湾の鶏はどこで食べても美味い。安すぎてついでに頼んだ角煮もうまい。派手な美味さではないと思う、確かな旨味。
お腹もいっぱいになったので、街を散策する。台湾には、まだまだ見ていない観光地は確かにあるのだが、いずれも少々時間を要する。今日は近場を見て回ろうと思う。
特に何をするでもなく、ビルに入ったりでたい、右に曲がったり左に曲がったり。そうこうしているうちに、夜は更けた。
今日の夜ご飯は、台北に来るたびに来ているお店。金峰魯肉飯だ。朝、満足できなかったので、思わず来てしまった。だが、外すことのない名店。
注文は決まっている、魯肉飯と卵だ。それに加えて乾麺を注文した。この店はテーブルについて紙に鉛筆で書くタイプ。台湾はそのタイプが多い。読めるようで読めないメニューをもとに、注文をするのも楽しいものだ。
美味い飯を食べると、自然と顔がほころぶ。うまい、うまいと頭のなかで喋りつつ、夜ご飯を食らう。気が付けば、今回のブログは“うまい”という言葉ばかりだ。そのことから、台湾の魅力を推察してもらえたらと思う。
さて、明日も早いので、早く寝る必要があるのだが、折角だ、まだまだ動こうじゃないか。というわけで、台北随一の絶景を見るために“象山駅”にやってきた。
ここから、少し歩いたとこにある象山歩道のうえに、その絶景はある。この階段は実にきついが、それだけの価値がある。ぜひ、後ろを振り返らずに登ってほしい。
何分経っただろうか、何段登っただろうか。わからなくなった頃、目の前には台湾随一の夜景が広がっていた。
絶景を堪能し、地上に戻る。下りは下りでつらい。膝にくる。なんとか駅に戻り、次の目的地へと向かう。そう、夜市だ。これなくして台北の夜は語れない。
さて、台湾に来たなら忘れられない料理の一つ、麺線を食べることにしよう。初めて食べたのは西門町の阿宗麺線。あの味が忘れられず、日本で食べられるところを探して、未だに定期的に食べている。
続けて食べるのは、「大腸包小腸」。米の腸詰で、ソーセージを挟む料理。様々な味付けが容易されており、熱々で食えばすこぶるうまい。食べすぎだと思う人もいるかと思うが、これでいいのだ。エンゲル係数の高い旅行は、大前提なのだから。
夜市の〆に、臭豆腐を食べに行く。人生ではじめて臭豆腐を食べた店。熱々の臭豆腐に、熱々のニンニクの効いたスープを入れ、そこにシャキシャキのキムチをいれて食べる。脳が叫ぶ、うまいと。
この豆腐を頬張るが、熱くてなかなか飲み込めない。ようやく食道に入ったかというタイミングで、ビールを流し込む。「人生はこのためにある」と思う瞬間は多々あるが、その一つと言ってもいい。
そんなこんなで夜市で数杯飲み、ホテルへ帰還。
明日はベトナムへ向かう。早朝便なので、早めに支度を終えて寝よう。
「俺の庭」状態の台湾を終え、世界一周旅行本格始動。はじめての国、はじめての味、はじめての人。それらを楽しみに、眠りにつく。明日は早い。
では、また明日。