行きたい場所に行き、したいことをする。

人生を楽しく生きる、それだけ。

世界一周初日 台湾でとにかく飯を食らう。

12月末。

いよいよ日本を発つ日がやってきた。

 

値段の安さから、朝早くのチケットを抑えていた。その前日何をしていたかといえば、そう宴会である。とはいえ別に壮行会なんてものではなく、ただの忘年会。学生時代を共に過ごした仲間達との宴会である。

 

酒の飲みすぎで寝過ごすとさすがに色々とスケジュールが崩れるので、適度に酒を楽しみ、深夜の東京駅発成田駅行のバスに乗車した。大学入学以来、夢に見続けた胸躍る世界一周の第一歩である。行先は「台湾」。これまで二回行ったことがある国なので、特に不安はない。俺の庭感覚だ。

 

偶然にも卒業旅行で博多に向かう学生時代の友人達が同じバスに乗り合わせた。いや、「偶然にも」というのは正確な表現ではないだろう。なぜなら彼らは本来ならば私と共に、台湾に行く筈だったからである。「でらの世界一周の一か国目についていこうぜ!!」と盛り上がったのが、11月の後半頃だっただろうか。しかしそこから、パスポートを持っていない奴が現れ、なんやかんやで時間を要しているうちにチケットの値段が吊り上がり、終いには、博多にいこうと言い出す奴が現れた。当然私は既に台湾行きのチケットを抑えている。

 

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愛すべき友人達

そんなわけで、私の友人との卒業旅行は成田空港までで終わり。博多行きの飛行機に乗り込む彼らを見送り、改めて、私の世界一周一人旅行が始まったのだった。

 

空港で夜を明かし、出発前に朝ごはん。何を食べるべきか迷ったが、リンガーハットのちゃんぽん麺を食べることにした。

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リンガーハットの長崎ちゃんぽん美味しいよね

空港で寝るというのは、実はそこそこ寒いので、ちゃんぽん麺の温かいスープが体に沁みる。今回の旅行は飯が美味そうな国であることも大きな基準としており、貧乏旅行ながらもエンゲル係数は高めていくことを決めていたので、食に困るつもりはなかったが、やはり日本食は美味しく、恋しくなることは目に見えていた。そんな時のために、リュックの中には、いくらかのインスタント味噌汁を仕込んでいる。

 

そんなこんなでいよいよ出発の時間が近づいてきた。

一人旅は初めてではないが、これから始まる75日間を思うと、否応なしに気持ちが高揚してくる。

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旅の必需品モバイルバッテリー

 

朝8時過ぎ、ついに飛行機は日出国の大地を離れた。

 

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庶民の見方、LCC

機内での暇つぶしにkindleで、小田実の「なんでも見てやろう」を読む。旅行のはじめにこの本に出会ってよかった。詳しくは読んでもらえばわかる。せっかく、時間とお金をかけて、異国に向かうのだ。保身になど走らず、なんでもにでも飛び込み、見てやろうじゃないか。そう思いつつ、これから始まる日々に胸を膨らませた。

何でも見てやろう 【小田実全集】

何でも見てやろう 【小田実全集】

 

そういえば、これまた旅行の少し前に見た映画「LIFE」。これもまたよかった。LIFE社の社訓もまた、私に、この旅行に、大きな影響を与えたといえるだろう。

 

“To see the world, things dangerous to come to, to see behind walls, to draw closer, to find each other and to feel. That is the purpose of life.”

 

私の人生の目的はなんだろうか。そこまではまだ分からないけれど、強い好奇心を持って、世界を見ていこう。危険を恐れずいこう。壁の裏側を見てみよう。そして、人々との出会いを楽しみながらいこう。そう思わせてくれた映画だった。

(世界一周中一度、危ない経験をします。)

 

そんなこんなで、読書をしていたら、あっという間に台湾に到着。

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桃園空港、いよいよ一か国目

 三回目の台湾に降り立った。

初めて海外一人旅をした国だ。ご飯は何を食べても美味しく、人は親切で、適度な異国感がある。私のとても好きな国だ。

とりあえずバスに乗り、台北市内を目指す。予め申し上げると、私の英語力は中学生レベルだ。単語で意思を伝えることが基本となる。文章も言えなくはないが、正直減点法をされるとゼロ点になるレベルで、しっちゃかめっちゃかである。「あいわなとぅごーとぅーたいぺいすてーしょん」とはいうものの、日本人の私が空港で台北という単語さえ発すれば、行先は台北駅に限定される。簡単なものだ。

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バスに揺られること40分ほどで台北

國光客運というバスに乗れば、間違いないと思う。ただ、最近は成田エクスプレス的なポジションの電車できたので、お金に余裕がある人はそちらを使おう。

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台北行きバスの車窓から

このバスはもう何度か使っているので、見慣れた景色。なぜ台北にきたかというと、次にいくベトナムを元々最初の国として予定していたが、台北経由の方が安かったからだ。2泊だけして、うまいもん食って、去る。それだけである。

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台北Twitter(ついた)

さて、ホテルに行く前にやることが二つある。それは、私が台北で一番うまいと思っている、いや、世界でも有数の美味いものだと思っているジャージャー麺を食べること、そして断髪である。

 

世界一周中は、基本的にドミトリーに泊まることになる。ドミトリーというのは一つの部屋にベッドが幾つも並んでいて、複数人が同じ部屋で眠るようなバックパッカー御用達の安宿である。部屋が共用ならば、当然トイレ・バスも共用だ。シャワーを浴びる時間ももったいないし、長々と浴びたくなるような環境でもないので、少しでも楽をするため、人生初の坊主頭にすることにしたのだ。

 

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看板が多くてごっちゃごちゃ、台北にきたなあ

とりあえず、世界一の最高にうまいジャージャー麺を食べるために街を歩く。想像していた以上にリュックが重い。けど、バックパッカーデビューだ。自然と顔がにやけてくる。俺はバックパッカーだ、トラベラーだ。

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最高のジャージャー麺は少し細い道の奥にある

ジャージャー麺を食べに店にいくのは三度目だが、やはり迷った。こういうときに、グーグルマップのありがたさを再認識させられる。インターネットがない時代の旅人には頭が上がらない。

 

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これだよこれ、これ食べるためだけに台湾に行くだけの価値がある

目的の店の名前は「老牌牛肉拉麺大王」。拉麺の大王だ、まずい訳がない。注文は「ジャージャーメン、ダオワン」で通じるはずだ。そこそこ量があるので、小食な方は「ジャージャーメン、シャオワン」と言おう。大椀、小椀だ。

 

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美味しすぎて撮る前に食べてしまった

そして出てくるのがこれ。「なんだ、ただのうどんじゃないか」といったのはだれだ。楽しみにしすぎて出てきた瞬間がっついてしまったので、見えなくなってしまったが、肉がたくさん乗っていて、麺そのものがとてもおいしく、そしてパンチの効いたニンニクスープが食欲をそそる。更に卓上にある多様な調味料を加えていくと七変化をしていき、気が付けば麺がなくなっているという、悪魔的な食べ物だ。ニンニクの攻撃力と圧倒的な中毒性から、「台湾の二郎」と私は呼んでいる。

 

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ああ美味しかった、またくるよ。

一瞬で完食し、荷物を置きにホテルへと向かう。ちなみに上の写真で髪の毛を切っているのは、無論私ではない。

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この表示便利だよね、明確でいい

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日本の自転車が全部バイクに置き換わった、くらいの感覚でバイクが多い

実は自分が坊主になったときの写真がないのだ。この旅行の後悔があるとすれば、もっと自分を写せば良かったということと、アクションカムを持っていけばよかったということ。そんなわけで、私は坊主頭になった。これで固形石鹸だけで全身を洗える。

そんなこんなで最初のお宿についた。「DUCKSTAY HOSTEL」若者受けの良さそうなおしゃれな作りで、ベッドにも一つ一つカーテンがついていたので、カプセルホテルに近いようなドミトリーだった。これで一泊800円は安い。場所は龍山寺という観光地の近くで朝早くから色んなお店がやっているので、なかなか便利だ。

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今回のお宿。一泊800円くらい。やすいね。

荷物をざっくりとおいて、夜ご飯を食べにいく。台湾の夜ご飯といえば、夜市が最高だ。一番有名なのは士林夜市という夜市だが、今回は宿の近くの南機場夜市に向かってみることとする。

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南機場夜市、地元の方が多かった。

台北市内にはいくつも夜市があり、どこも特徴があって飽きない。毎晩お祭りがやっているようなもので、非常に楽しい。東京にも毎晩営業している屋台街があればいいのに。

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どこの夜市も人がたくさん。まさに祭り。

何を食べようかと彷徨っていると、明らかに集客力の高い店を見つけた。地元民が集まる店がまずいはずがないということで、とりあえず座ってみる。

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迷ったときは、地元民を信じろ

水餃子のお店だったので、とりあえず水餃子を頼む。あと、日本の中華料理屋でもよく頼む酸辣湯麺の麺なし、つまり酸辣湯があったので、注文。

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ビジュアルからして、間違いないってわかる

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パクチーは、アクセントとしては好き。単体で食べてる人はよくわからないけど。

地元民を信じた俺に拍手を送りたい。あつあつで美味い。台湾の飯は本当に美味い。食い倒れ最高だ。店名は忘れてしまったが、南機場市場のメインの通りから一本入った場所にあるけど、そう広くない夜市で、遠目に見ても人だかりが見えるから、問題なくたどり着けるかと思う。いつか再訪したいお店だ。

ただ、元スポーツマンで大食漢の私には、食い倒れと呼ぶにはまだ物足りない。ということでふらふらと夜市を歩いていると大行列を作るお店を見つけた。スープ系で、鶏系という情報を理解した時には、私はもう既に列に並んでいた。

 

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行列ができていたお店。何を売っているかはわからないが、とりあえず並ぶ。

そして、出てきたのがこれ。なに。

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よくわからないけど、旨味たっぷり鶏スープ

よくわからなかったけど、うまかった。中にある鳥は骨が多く頑張って食べていたのだが、周りの地元民たちは、その骨を次々と机の上に出していた。なるほど、そういう食べ方があるのか。見よう見まねで完食し、〆のスープを終えた私はホテルへと戻ったのであった。

 

そして、坊主の楽さと世界一周が始まったことを噛みしめながら、眠りについた。

 

世界一周初日、終了。